SaaS経営者×投資家対談①|Sansan寺田親弘氏×DNX倉林陽

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May 21, 2019

SaaS起業家のみなさんへ。

SaaSスタートアップへの投資に長年携わってきたDNX倉林が聞き手となり、SaaSスタートアップのヒントを詰め込んだ、経営者インタビューを3本連載でお届けします。3社それぞれの創業ストーリーSaaSモデルを選んだ理由、そして若手起業家へのメッセージをいただきました。みなさんのSaaSビジネスのヒントに、そして、成功への大きなモチベーションにして頂けたら嬉しいです。

初回は、Sansan株式会社の代表取締役 寺田親弘さん。
未上場でありながら、累計調達総額は約114億円、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」の契約数は6000件以上、個人向け名刺アプリ「Eight」はユーザーが200万人を超えるなど、ビジネスインフラとして成長を遂げている同社。
B2Bでは珍しいテレビCMを展開した理由、同社出身のスタートアップ起業家輩出についてなどたっぷりお話を伺いました。


1.創業のきっかけ

倉林:僕と寺田さんは三井物産の同僚として出会ったわけですが、2007年に会社の1階のカフェで会社をやめるという話を聞いて。気づけばあれから11年ですね。

寺田さん:あのとき、「日本は大企業よりベンチャーが空いている」って話を倉林さんがしたのを覚えています。

倉林:そう、あれはGlobespan Capital[1]にいた同僚のアメリカ人に言われて。なんでお前空いている領域で勝負しないんだ、って言われたんだよね。

寺田さん:うん、俺すごい覚えてる。いろんなところで何回もその話させてもらってます(笑)

倉林:改めて、創業の経緯を伺わせてください。

寺田さん:起業すること自体は、小学生くらいから決めていました。戦国武将に憧れていたこと、父親が事業をしていたこともあって、現代における天下取りとは何かと考えた時に、自分で事業を立ち上げて、それを通じて世の中に大きなインパクトを出していくことだろうと。3〜5年働いてから起業するというライフプランを描いていたんですが、三井物産には8年くらいお世話になりました。シリコンバレーに行く機会も早い段階で与えてもらって、自分のやりたいビジネスをやりたいようにやらせてもらえたと思っています。いざ起業して何をやるか考えた時に、社会人になりたての頃に「名刺管理って本当に面倒臭い」と思ったことが思い出されて。今SansanのCMでもやっていますが、社内の人脈がよく見えないことによって起きる無駄なこと、「もっと早く言ってくださいよ」みたいなことが日常茶飯時で。紙で名刺を管理することの煩わしさをずっと感じていたので、名刺をデータベース化するというアイデアは当時からありました。Sansanを一緒に立ち上げることになった富岡と、ビジネスマンなら誰もが課題感をもっていて、納得できる、誰もが理解しやすいものだということで、名刺でやっていこうとすぐに決めました。名刺は、おそらく日本で10億枚とか、世界で100億枚とかってすごい数使われていて、この名刺それぞれが人と人の出会いであるにもかかわらず、これが紙のまま死蔵されていることは、課題解決の先にはとてつもない可能性が広がっているのではないかと。そうして創業しました。